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「追いかける」ではなく「見つけてもらう」募集戦略

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sakura

入試広報・学生募集を「マーケティング」から学ぶことはよくあります。

自校の魅力をアピールし、いかに出願者を増やすかまでの考え方が多くの点で共通しているためでしょう。

そのマーケティングの世界に、いま大きな変化が起こっています。従来の手法を使った成果によくない兆候があらわれています。これは入試広報・学生募集にとっても、見逃すことのできない現象といえそうです。

時代に合わない「プッシュ型」を使っていないか

昨年の調査では、日本人のスマートフォン所有率は69.2%という急激な上昇傾向にあります。そして、20歳前後の人では90%を越える高い数字です。

いま若い世代の人ほど「情報」に関する行動が激変しています。企業や学校からプッシュされる情報は素通りされ、Google・Facebook・Twitterなどを使って、役立つ採用情報を積極的に自分で探し、見つけています。そして、いい情報を友達と共有し合う「口コミ」現象が日々活発に行われています。

これにより、一方的なメールやたくさんの広告に人々は嫌気が差しブロックをしはじめています。情報は自分で見つける時代に変わり、プッシュ型のコミュニケーションはどうも時代に合わないようです。

さて学生募集は、プッシュ型の手法をこれまで長く使っています。いま学生たちは、進学情報誌を受け取ったり、広告を見せられたり、学校見学会の招待が届いたりすることに、思いやりを感じていないとしたらどうでしょう。

「見つけられる」が、いまの時代のコミュニケーション

情報にたいして自立的となった学生たちは、他人から説得されるのではなく「自分が納得して選びたい」と考えるようになっています。
インパクトのある広告やドラマチックなプレゼンテーションに惹かれることはあっても、距離を縮めるまでには繋がらないようです。むしろ、既存の大きなシステムやフォーマットを使ったものではなく、DIY的でリアリティを感じる情報こそ信頼しようとする傾向が強くあるようです。

例えば、内閣府が実施した世論調査によれば、若い世代の「田園回帰」の意識は高まりつつあります。心の豊かさを求める人が増えている表れでしょうか。このわりあい狭いターゲットを狙い「知名度はない、地方にある、駅から遠い、だけど息を飲むような風景がキャンパスから見える」とFacebookに写真付きの記事を投稿して、広告以上の成果を得ているケースがあったりもします。

Denen

プッシュ型は相手を「追いかける」手法でしたが、これからは、相手の困っていることや、興味・関心の高いコンテンツを発信し続けながら、相手に「見つけてもらう」ことを目指す流れに、マーケティングもリクルーティングもシフトしています。

入試広報・学生募集も、同じ流れに向かっているような気配です。自分たちに興味をもってくれる人から「見つけられる」ことが、いまの時代のコミュニケーションといえそうです。

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