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イベント・施策

少子化社会を生き残る 高大連携によるシナジー効果

大分大学

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近年における少子化、若者人口の減少により学校経営環境は厳しさを増しています。高校側においては、いかに学生が個々の能力や意欲・関心にあった大学を選択すべきか、教育内容を充実させたい、進学実績を向上させたいと考えています。一方大学側においては、大学が求める学生をどう確保していくのかという問題を抱えています。

そこで各々が抱えている課題を連携して解決していこうという取り組み「高大連携」が近年急速に進んでおりすでに多くの高校、大学で実施されています。数ある高大連携の中で今回は「学問体験ゼミ」「カタリバでキャリアを拓く」といったユニークな取り組みを行っている大分大学 経済学部についてご紹介していきます。

高大連携の効果とは?

「高大連携」といっても具体的にどのような効果があるのかを高校、大学の各々の立場からまとめてみました。

高校

  • 進路選択機会の充実
  • 学生の学習意欲の向上(学生への刺激)
  • 進学実績の向上
  • 教育内容の充実

大学側

  • 優秀な学生の確保
  • 高校教員との交流機会の拡大
  • 地域社会への貢献
  • 学生ニーズのミスマッチ解消

高校においては大学教員による教育内容の充実、学習意欲向上に力点を置いているようです。一方大学にとっては学生の入学後におけるミスマッチを防ぐこと、優秀な学生の確保といったところが重視されています。近年は「高大連携」からさらに太いつながりを持つ「高大接続」と名乗る取り組みも行われています。

また、学生のみならず高大教員が協力し連携にて得られた新たな知見、技術を教育現場にフィードバックする試みも実施されています。

事例:大分大学 高大接続教育

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大分大学 高大接続教育WEBサイト

1999年より経済学部にて高大接続教育「キャンパス大使」が開始されました。現在では同大学の高大接続教育事業は8つのとりくみに拡大し、その中核となるのが大学2年生のゼミに高校2年生が参加し、研究・発表・討論し合う「学問探検ゼミ」です。他の7つのとりくみとあわせてまとめてみました。

キャンパス大使(1999年~)

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大分大学 キャンパス大使WEBサイト

学生の出身高校を訪問し、所属学部の様子を高校生に伝え進路選択に役立ててもらうことを目的とした制度です。参加した大学生の勉強意欲に対する意識変化に繋がっています。

高校生なるほどアイディアコンテスト(2005年~)

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大分大学 高校生なるほどアイディアコンテストWEBサイト

ユニークなビジネスアイデアや地域づくりプランを全国の高校生から募集する事業です。
第10回までの入賞者の中から計18名が大分大学へ進学しています。

学問探求ゼミ(2008~)

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大分大学 学問探求ゼミWEBサイト

大学2年生と高校2年生が協力して研究テーマに取り組んでいます。2015年度におけるテーマは「B to C 業界における企業の経営戦略」、「大分の限界集落~地域学から考える~」、「プレミアム商品券について考える~地域経済学の視点から~」。
高校受講生数は、累計(2008~2014年度)で92名に達します。その中から15名が大分大学へ進学しています。

チャレンジ講座(2008~)

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大分大学 チャレンジ講座WEBサイト

県内の高校に遠隔配信設備を設置し高校生向けの特別授業を行っています。文系・理系の諸学問のエッセンスを高校生に教えています。
2014年度までの累計では11,000人を超え、大きな成果をあげています。

キャンパス・レポータ(2009~)

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大分大学 キャンパスレポータWEBサイト

学問に興味の持つ高校生が大学教員の研究室を訪問し学問の最新動向をインタビューし、大学広報誌などに発表する制度です。

接続学習プログラム(2005~)

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大分大学 接続学習プログラムWEBサイト

大学入学前に高校、大学双方の教員によって英語・数学・国語などの課題を課し指導しています。大学入学後においては数学・英語・コミュニケーションを履修し大学教育への橋渡しを行っています。

高大連携WGとシンポジウム(2006~)

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大分大学 高大連携WGとシンポジウムWEBサイト

高校、大学双方の教員間の信頼関係構築の為、年3~4回の少人数での会議、年1回の「大分県高大連携シンポジウム」を開催しています。

カタリバでキャリアを拓く(2013~)

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大分大学 カタリバでキャリアを拓くWEBサイト

年齢が少し違う(ナナメ)大学生と高校生の対話によって、両者の主体的なキャリア意識を引き出し形成しています。

同大学の高大接続教育のきっかけは、1998年度入試における全入学時代を予感させるような経済学部入試倍率の低下と、主体性の無い学生の増加への危機感より1999年度より開始されたとりくみとのことです。文部科学省による「質の高い大学教育推進プログラム(GP)」事業として採択を受けた他、日本学術振興会・大学教育等推進事業委員会にて「特に優れており波及効果が見込まれる取組」として認定されており外部からも高い評価を受けています。

まとめ

高大連携は、生徒の学習意欲、進路意識低下を改善したい高校側と、学生を確保し少子化時代を生き残りたい大学側との思惑が一致した結果により、ここ数年急激に進んでいます。

高校、大学の持つ価値を集約、組み合わさることで新たな付加価値が生まれ、互いにシナジー効果を発揮することができます。たくさんの選択肢から自分にあう学習環境を選び、一人ひとりの個性を伸ばしていってもらいたいですね!

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