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2015年度志願者数トップ10から考える。大学が迎える「2018年問題」とは?
2015年度の入試が終わり、それぞれの大学は2016年度に向けて動き始めています。志願者数にはどのような変化があったのでしょうか。そして、大学が激減すると言われる2018年問題とはどのような課題を抱えているのでしょうか。
2015年度志願者数トップ10
2015年度の志願者数トップ10が大学探しナビにて発表されています。1位は昨年に引き続き、2年連続で近畿大学となっています。近畿大学は前年比でも8,000人近い数を増やしています。2~5位は昨年よりも志願者数が減り、トップ10の中で志願者数が増えているのは近畿大学、立命館大学、東洋大学、立教大学の4つです。
過去の志願者数を見てみると、18歳人口が減っていく中でも大学の志願者数は大きな減少はありません。これは大学への進学率が上がっていることが要因であり、近年で大学進学率は約20%増加しました。そのため、18歳の人口減ほどの影響を受けていません。
大学が迎える2018年問題とは?
18歳の人口は減り続け、2018年からさらに減少すると予測されています。今までは、この減少に進学率を上げることで対応してきました。1992年では200万人を超えていた人口は、2031年には遂に100万人を切るだろうと言われています。現状で進学率が約50%という数字がありますが、この進学率も今後大幅な増加は見込めないだろうと考えられます。この先10年で20万人の人口が減れば、進学率50%で1,000人規模の大学であると約100大学分が消えてしまいます。そのため、今後大学は生き残りを賭けた戦国時代に突入するだろうと言われています。
海外留学生の受け入れ
大学ではオープンキャンスなど広報の見直しが始まっていますが、競争に打ち勝つだけでなく、海外留学生の受け入れ、グローバル化が注目されています。留学生を受け入れるための体制や環境がまだ整っていない学校が多く、そういった整備に柔軟に対応していけるかどうかが鍵になりそうです。
昨年は文科省が「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」にあたる大学を発表し、グローバル化を狙う大学への支援を強化しました。「世界ランキングトップ100をめざす力のある大学」「わが国社会のグローバル化を牽引する大学」として合計37校が補助金を受けることになっています。
このようなグローバルに強い大学というのが、生き残りを賭けて注目されていくブランドの1つとなりそうです。
まとめ
今後さらに競争が活発化し、各大学で大きな動きが出てくることでしょう。学生獲得に効果的な手が打てるかどうか、学校によって現実的な数字として迫ってきます。入試広報の役割も増々重要になっていきます。