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イベント・施策
入学希望者を増加させた高校生のオンラインショッピングモール「まなびや」
城南静岡高等学校
2001年に城南静岡高等学校(静岡女子商業高等学校)が体験授業として始めたオンラインショッピングモールが県外にも広がり始め、今や全国で10を超える数となりました。
地域と繋がるきっかけになるだけでなく、もっと勉強したいという進学希望者やこの学校での取り組みに興味を示す学生が増えたという高校も出てきています。このビジネス体験は学校や学生にとってどんな影響があるのでしょうか。
高校生が運営する「まなびや」とは?
「まなびや」とは、高校生が授業の一環で運営するオンラインショッピングモール。
それぞれ社長も高校生が就任し、出店者の募集から取材、記事・WEBの作成まで高校生が行っています。授業とはいえ告知のためのチラシ作成や出店者との打ち合わせ、写真撮影など活動内容は多岐に渡ります。
活動費は仲介手数料を取る形ではなく、出店者からおよそ1万円程度を運営費として求めて成り立っています。社長だけでなく総務担当、営業担当といったように学生間で役割分担もされ、実際の会社で働くように活動を続けています。
静岡の城南静岡高等学校を皮切りに、佐賀・奈良・埼玉・熊本県まで広がりを見せ、2015年7月には三重県の県立四日市商業高校が運営に乗り出すことを発表しました。
先駆けとなった城南静岡高等学校
城南静岡高等学校が全国初の高校生が創り運営するオンラインショッピングモールをオープンしたのは今から14年前。当時はまだITの普及率も今ほど高くないときでした。2005年には累計売上高が1000万円を超え、2009年に商業科のカリキュラムに2013年から「電子商取引」が加わるという通達が出たことをきっかけに他高校にも広がり始めました。
2009年に佐賀県立佐賀商業高等学校が「さが学美舎」、佐賀県立唐津商業高等学校が「からつ学美舎」を姉妹店としてオープン。その後も佐賀県立伊万里商業高等学校、佐賀県立杵島商業高等学校と佐賀県を中心に展開されていきます。サイトのレイアウトはどの高校も統一されていて、城南静岡高等学校をモデルとした姉妹店として運営しています。
大学進学者と入学希望者が増加
城南静岡高等学校は、2004年度の大学進学者が9人だけでしたが、5年後には120人を超える数になったそうです。
高校の時に社会と繋がりを持つ活動をすることで、将来の仕事が想像しやすくなり、真剣に考えるようになったという背景があります。実際に、城南静岡高等学校を卒業して山梨学院大学に進学した5人が「学美舎KOFU店」として自分たちでオンラインショップをオープンさせたという経緯もありました。
また、この「まなびや」の取り組みに関わりたいという中学生が増加し、城南静岡高等学校への入学希望者が増加しました。まなびやの取り組みによって企業の人事が興味を持つなど、進路面でも変化もあるようです。
季節に合わせた花火大会情報なども掲載されています。
佐賀県立佐賀商業高等学校のからつ学美舎はyoutubeでも積極的に商品のPRを行っています。
さらに佐賀県立佐賀商業高等学校が開発したドレッシング「松ゅらる美味eat」はフードグランプリで審査員特別賞を受賞。
まなびやを運営する高校
- 城南静岡高等学校(学美舎)
- 佐賀県立唐津商業高等学校(からつ学美舎)
- 佐賀県立佐賀商業高等学校(さが学美舎)
- 佐賀県立伊万里商業高等学校(いまり学美舎)
- 佐賀県立杵島商業高等学校(きしま学美舎)
- 奈良県立奈良情報商業高等学校(奈良まなびや)
- 埼玉県立羽生実業高等学校(羽実まなびや)
- 埼玉県立岩槻商業高等学校(岩商まなびや)
- 埼玉県立熊谷商業高等学校(熊商まなびや)
- 熊本国府高等学校(熊本国府まなびや)
まとめ
高校生が運営するオンラインショップ「まなびや」。実際にビジネスに関わることで、学生達の成長もすごいスピードで変化していくようです。地域の食材を売り出すことで地元のPRになり、学生は貴重な就業体験ができます。そして、学校は教育体制が注目されて入試広報へ繋がっていく事例です。